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桃の缶づめ

桃の缶づめ

~第1章~

~~~~呪いの椿油 第1章~~~~



呪いの椿油挿絵1

挿絵 千恵子さん作


「それはなあ・・・。赤ん坊の頭ほどもある巨大な椿の羽織なのじゃ・・・」

ロウソクに揺らめく炎に、枯れ木の洞のような老婆の顔が、
山姥のように見え、桃和香は身震いした。

「そ、そんな恐ろしい長羽織を、千恵子はどうして着ていたのでしょうっ!!」

桃和香は震える声で、それでもオババに問うた。
恐ろしい答えが待っていると知りながら、
それでも妹の千恵子の身に起こった奇怪な出来事を、知らずにはいられなかったのだ。

「わからんか?ふふふ・・・。
  それはな・・・。こうじゃ~~!!」

不意にオババは老婆とは思えない俊敏な動作で立ち上がり
、その勢いでロウソクの炎は激しく揺らめいた!

「ああ!そんな!千恵子にそんな事が・・・ああああ!!!」

桃和香は戦慄のあまり二の句が継げず、ただ、体をすくませるのだった。
桃和香の恐怖に見開かれた瞳が見たものは・・・!



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